
ベルギーという国はあまり馴染みがありませんが、ローマ帝国の時代からベルギー民族としての存在が認められていて、その後フランスやハプスブルグ家の 支配を受けつつつも独自の自覚を持ち続けた国ということです。
今回の近代絵画を見てみても、印象派やフォービズムなどのフランスを中心とした流行がベル ギーに伝わっても、ベルギー独自の少し違った解釈で発展しているところが興味深い点です。
そういった影響された作品群が歴史順に、勿論フランスのコ ロー、クールベ、ボナールなどの作品とともに展示してあるのが、比較できて勉強になります。印象派の時代になっても伝統的な風景画の手法がしっかりと 残っている作品や、クールベの踊り子を描いた珍しい作品など、馴染みのないものが多くて、絵画の可能性や民族の独自性などを振り返る良い機会となりました。(Y.T)