
ドキュメンタリー映画「ハーブ&ドロシー」を観てきた。
ニューヨークに住む伝説的なアートコレクター夫婦の一生を描いた作品だ。
二人はごく普通の郵便局員と図書館司書。
作品を買う条件は自分たちの給料で買える価格であること、と、狭いアパート(1DK)に収まる大きさであることの2つである。
もちろん作家達と親交を深め制作過程を聞き出し、気に行った作品のみを集めている。
その数なんと4,000点以上。気が付いたら20世紀を代表する現代アーテストの作品ばかりだ。
金銭には無欲な二人だが、ことアートや作品に対しては貪欲で非常によく勉強されている印象をもった。
過去には大金持ちが趣味でアート作品を集めてきた例は多いが、ごく普通の市民がこれだけ多くの現代を代表する作家の作品を集めた例は他にはないのではないだろうか。
しかも、これらの作品をワシントンDCのナショナルギャラリーに寄贈すると言うのだからさらに驚きだ。
この作品を観て真のコレクターとは何か、お金では買えない豊かな人生とは何かなど、いろいろと考えさせられる事が多い映画であった。